お役立ちコラム

冬の外壁塗装で起こるトラブル3選|乾燥不良・白化を防ぐための施工基準とは

著者:庄嶋 善則

冬の外壁塗装で起こるトラブル3選|乾燥不良・白化を防ぐための施工基準とは

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外装劣化診断士、代表取締役の庄嶋です!

冬でも外壁塗装は可能ですが、秋や春と比べて“施工の難易度が上がる季節”です。朝晩の気温低下、湿度変動、日照時間の短さが重なることで、塗料の乾燥・硬化プロセスに影響し、仕上がりや耐久性に差が出ます。

今回のお役立ちコラムでは、冬の外壁塗装で実際に発生しやすい3つの主要トラブルと、その根本原因をわかりやすく整理します。

「冬に工事して本当に大丈夫なのか?」と不安を感じている方が、施工基準を理解して優良業者を見極められる状態になることを目指した内容です。

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冬の外壁塗装で起こりやすいトラブル3選

冬の外壁塗装で起こりやすいトラブル3選

冬季施工で問題が起こる場合、その多くは「気温・湿度・乾燥時間」に起因します。塗料メーカーが定める施工基準(最低気温・湿度・乾燥時間)を守らないと、塗膜強度の低下・色ムラ・剥がれ・雨染みなど、後からやり直しになるケースが非常に多くあるのです。

ここでは、冬にとくに注意すべき“3大トラブル”を解説します。

①塗膜の乾燥不良(粘着・艶ムラ・べたつき)

冬に最も多いトラブルが乾燥不良です。気温が低いと塗膜の硬化が進まず、内部に溶剤や水分が残るため、次のような症状が発生します。

  • 触ると“べたつき”が残る
  • 艶ムラが発生する
  • ローラー跡がそのまま固まる
  • 塗膜が弱く、数年で剥がれる

原因は以下の通りです。

  1. 気温5℃未満での施工
    塗料メーカーはほぼ全社「気温5℃未満は施工不可」と規定しています。冬の朝・夕方はこの条件を下回ることが多く、乾燥が進みません。
  2. 湿度85%以上での施工
    冬は空気が乾燥しているため湿度に油断しがちですが、 朝の霜・結露が残る時間帯は湿度が一時的に急上昇します。
  3. 乾燥時間の不足
    日照が短いため“1回塗ったあと、次の工程までに必要なインターバル時間”が確保できず、内部に水分が閉じ込められます。
    乾燥不良の塗膜は、数年後にチョーキング(粉化)や剥離として現れるため、見た目では綺麗に見えても寿命が著しく短くなるという重大な影響があります。

②白化(ブリード・チョーキング・結露白化)

冬はとくに“白化現象”が発生しやすい季節です。白化とは、塗装後に外壁の表面が白く曇る・ベタつく・筋状に白い跡が残る症状を指します。

白化が起こる主要3パターン

  1. 結露白化(ブリード現象)
    冬の早朝に結露が付いていた外壁の上から塗装を行うと、塗料内の樹脂成分が水分と反応し、表面が白っぽく曇る・まだら模様になることがあります。
  2. 乾燥前の降雨(天候判断ミス)
    冬は天気が安定しにくく、午後以降の急な小雨でも白化が起きやすくなります。
  3. 塗料成分の分離(低温硬化不良)
    低温で塗膜の硬化が遅れると、表面の成分が分離し、白い粉状の痕が残ります。

白化は仕上がりだけでなく、塗膜内部の強度低下につながるため、“やり直し(塗り直し)”が必要になる代表的な冬季トラブルです。

③塗布量不足・膜厚不足

冬は塗料が硬くなりやすく、ローラーの“伸び”が悪くなります。その結果、職人の技量や判断によっては必要な塗布量を確保できないケースがあります。

起こりやすい症状

  • 膜厚不足による耐久性の低下
  • 色ムラ・塗り残し
  • 3回塗りのうち「中塗りが薄い」状態になる

塗料には必ず「1缶あたり何㎡塗れるか」という規定値があり、冬季は作業効率が落ちるため、経験不足の職人ほど塗布量が不足しがちです。

膜厚不足は数年後に剥離や早期退色として確実に現れるため、冬季の施工ではとくに注意すべきリスクとなります。

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冬季施工で必ず守るべき施工基準

冬季施工で必ず守るべき施工基準

冬に外壁塗装を行う場合、トラブルの大半は「施工基準を守っていない」ことに起因します。塗料メーカーは冬季の施工条件を非常に厳しく定めており、優良業者ほど「やってよい日・やってはいけない日」の判断が明確です。

ここでは、冬季施工で絶対に押さえるべき3つの基準を整理します。

ユーザー自身が確認できる項目でもあるため、見積・現場説明の際に質問することで、業者の技術レベルを判断する指標にもなります。

①気温5℃以上・湿度85%以下の遵守

全ての主要塗料メーカー(日本ペイント・関西ペイント・エスケー化研など)は、施工条件として「気温5℃以上・湿度85%以下」を明確に規定しています。

理由

  • 気温5℃未満→塗料の化学反応が止まり、硬化不良が発生
  • 湿度85%以上→結露・白化・乾燥不良の発生率が急上昇

冬は日中の数時間しか条件を満たさないことも珍しくありません。優良業者は“施工する時間帯”を厳密に管理します。

確認すべきポイント

✔朝の8〜10時台には塗装を開始していないか(結露が残る)

✔日陰になる面を午後に回していないか(乾き切る前に冷える)

✔気象データや温湿度計を現場で使用しているか

これを守れていない業者は「冬施工の資格なし」と判断して問題ありません。

②規定乾燥時間(インターバルタイム)の厳守

外壁塗装は「下塗り→中塗り→上塗り」の3工程で行われますが、各工程の“間”に必要な乾燥時間(インターバル)が定められています。

冬は乾燥が遅いため、インターバル管理を怠ると、内部に水分が残ったまま次の塗膜が被さり、乾燥不良・剥がれ・白化の原因になります。

たとえば

使用塗料 夏の乾燥時間 冬の乾燥時間
水性塗料 2〜4時間 5〜8時間
弱溶剤系 3〜5時間 6〜10時間

冬は最低でも倍以上の乾燥時間が必要です。

優良業者の対応例

  • 「今日は下塗りだけで終える」など工程を分ける
  • 日照のある壁面から施工し、後半面を翌日に回す
  • 天気予報と温湿度の変動を見て計画を前日に修正する

反対に「今日は3回塗り全部終わります」と言う業者は冬季施工の基準を理解していない可能性が高いです。

③メーカー仕様書どおりの塗布量(規定m²/缶)の遵守

冬季は塗料の伸びが悪く、ローラーに乗る量も平時より少なくなるため、塗布量不足・膜厚不足が起こりやすい季節です。

塗料には必ず「1缶で何㎡塗れるか」「規定膜厚◯μm」という仕様値があります。

これを守らないと、

  • 耐久年数が半分以下になる
  • 早期退色・剥がれが発生する
  • 保証対象外になる

といった問題が確実に起こります。

優良業者の特徴

✔仕様書に記載された「規定m²/缶」を顧客に説明できる

✔現場で缶数・塗布面積を記録している

✔“塗料の余り”ではなく“缶の使い切り”で膜厚管理をする

塗布量不足は、ユーザーが最も気づきにくい冬季トラブルのため、見積段階で「仕様書の提示」を必ず求めるべき項目です。

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優良業者の見極め方とトラブル防止の発注ポイント

優良業者の見極め方とトラブル防止の発注ポイント

冬季の塗装は、春・秋のように“誰が塗ってもある程度は仕上がる”季節とは異なり、施工管理・気象判断・塗布量管理の3点を正しく行える業者のみが安定品質を出せる季節です。つまり冬は「良い業者かどうか」がもっとも分かりやすく現れる期間と言えます。

ここでは、施工前の段階で判断できる3つの見極めポイントを整理します。

①冬季専用の工程管理(時間帯・日照計画)の説明があるか

優良業者は、見積時点または現地調査の段階で“冬季は通常時と工程管理が異なる”ことを明確に説明できます。

具体的には

  • 朝の結露を避けるため、10時以降の塗り出しを基本とする
  • 日陰面は午後に塗装せず、翌日に回す計画を立てる
  • 乾燥時間(インターバル)を冬用に延長し、無理に3工程を1日で終わらせない
  • 天気予報を見て、“湿度が上がる日”は塗装しない判断ができる

これらが説明できない業者は、冬季施工の経験が浅いか、工程を詰め込む前提で考えている可能性が高く、トラブル率が高いと判断できます。

チェック質問例

「冬の施工では塗り出し時間や工程配分をどう変えますか?」

この質問に即答できる業者は信頼度が高いです。

②塗料メーカーの仕様書を提示できるか

冬の施工で最も見落とされやすいのが、仕様書の扱いです。優良業者は必ず「使用する塗料のメーカー仕様書」を提示し、気温・湿度・塗布量・乾燥時間の規定を事前に説明できます。

仕様書を提示できない業者、あるいは「経験で大丈夫です」「うちはこれで問題ありません」と曖昧な回答をする業者は注意が必要です。

仕様書には、例えば以下のような具体的な数値が書かれています。

項目 仕様例
最低施工気温 5℃以上
施工時の湿度 85%以下
塗装間隔(冬期) 6〜10時間以上
1缶の標準塗布面積 60〜80㎡(塗料による)
標準膜厚 30〜40μm(工程別に規定あり)

確認ポイント:

✔見積書に“使用塗料名+グレード+メーカー”が書いてあるか

✔仕様書のコピーを事前に渡してくれるか

✔塗布量・工程・乾燥時間を“数値”で説明してくれるか

仕様書を見せてくれる業者=施工基準を守る前提の業者と判断できます。

③施工後の保証・写真付き報告書があるか

冬は失敗すると「乾燥不良→白化→数年後の剥離」という流れになりやすいため、施工後の品質保証と記録が非常に重要です。

優良業者が必ず行うこと

  1. 施工写真の提出
    下塗り・中塗り・上塗りの膜厚を確認できる写真、使用した塗料缶の本数などを記録として残します。
  2. 保証書の発行(5〜10年)
    外壁塗装では、塗膜保証の期間が品質の裏付けになります。
    冬季施工だからこそ保証期間をしっかり確認すべきです。
  3. 不具合時の対応フローが明確
    乾燥不良・白化など、初期不良が起こった場合の“再塗装基準”が会社として明文化されているかが重要です。
  4. 定期点検の有無
    1年点検・2年点検を行う業者は、品質に責任を持つ体制が整っています。

確認すべき質問

「施工後の報告書はどの範囲まで写真で残しますか?」

「冬季施工に対する保証条件は変更されますか?」

ここで曖昧な返答をする業者は、冬季施工のリスクを理解していない可能性があります。

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おうちのかかりつけ医OHANAが提案|冬の外壁塗装トラブルは「基準を守る会社」を選べば防げる

おうちのかかりつけ医OHANAが提案|冬の外壁塗装トラブルは「基準を守る会社」を選べば防げる

冬の外壁塗装で起こる代表的なトラブルは、乾燥不良(べたつき・艶ムラ)、白化(結露白化・硬化不良による成分分離)、そして塗布量不足(膜厚不足)です。いずれも原因は共通しており、「気温・湿度・乾燥時間・塗布量」という施工基準を守れていないことにあります。

つまり、冬に塗装して良いかどうかは季節ではなく、現場の数値と工程管理で決まります。気温5℃以上・湿度85%未満を守るのは最低条件で、冬は結露や霜が残る時間帯を避け、乾燥インターバルを十分に取り、規定m²/缶どおりに塗布して膜厚を確保することが品質の分岐点になります。逆に「今日中に3回塗りを終えます」「経験で大丈夫です」といった説明しかない場合、冬のリスク管理ができていない可能性が高く、数年後に剥離や早期劣化として表面化しやすくなります。

おうちのかかりつけ医OHANAでは、冬季施工こそ“やってよい日・やってはいけない日”を明確にし、時間帯の提案、メーカー仕様書に基づく乾燥時間・塗布量の管理、施工後の写真付き報告書まで含めて、後から困らない塗装を重視しています。冬の工事に不安がある方は、問い合わせフォームからのお問い合わせ、メール、電話でのご相談、ショールームへの来店など、ご都合のよい方法でご相談ください。

おうちのかかりつけ医OHANAが、あなたの住まい条件で「冬に塗って良いか」を基準ベースで整理し、失敗しない進め方をご提案します。

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